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トランプ米政権にもの申す!! アメ車が日本で売れない理由は? 日本車の逆輸入車だったら売れるのか? 大真面目に売れる逆輸入車を考察!!!

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 トランプ米政権の関税措置を巡り、日本政府内で日本車メーカーが米国で生産する自動車を日本に逆輸入する案が浮上したと毎日新聞が報じた。またか……。1990年代、GM製シボレーキャバリエにトヨタバッジを付けて日本で販売したがさっぱり売れなかったという事実をトランプ大統領は知っているのか? では、はたして日本車の逆輸入車は、日本で売れるのか、自動車専門誌ならではの視点で考えていきたい。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部

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日本でアメリカ車は売れない理由はわかりきっている

アメリカで生産している日本車は日本で売れるのか? 写真は日産自動車テネシー工場
アメリカで生産している日本車は日本で売れるのか? 写真は日産自動車テネシー工場

 「アメリカ車がほとんど日本で走っていない……」。石破総理は4月14日、衆議院・予算委員会に出席し、アメリカのトランプ大統領と電話会談した際、トランプ氏から不満の声があったとコメントした。

 第一次トランプ政権の時にも、当時の安倍首相にも同じことを言ったそうだが、安倍首相はアメリカ車のボディサイズは日本の道路事情に合っていない、ドイツ車は右ハンドルを用意し日本の実情に合わせている、アメリカの自動車メーカーの努力が足りないと一蹴。

 これを聞いてSNSでは「またか、日本市場の内情をわかっていないのは相変わらず」「右ハンドル化を含め日本市場で売る努力もしないくせに売れるわけがない」「サイズも排気量も大きく自動車税、重量税が高い」と辛辣な意見が寄せられている。

 さらにトランプ米政権の関税措置を巡り、日本政府内で日本車メーカーが米国で生産する自動車を日本に逆輸入する案が浮上したと毎日新聞が報じた。

 一般的に逆輸入車とは、日本国内で生産され、海外に輸出された後に再び日本に輸入されたものを指すが、海外で生産された日本車を、日本に輸入して販売する場合も逆輸入車として捉えられている。

 前者の場合、日本で売りたければ、わざわざアメリカに輸出したものをまた輸入するのは、並行輸入車ならまだしも正規販売では二度手間になるので現実的ではない。ここでの逆輸入車はアメリカの工場で生産された日本車ということにしたい。

アメリカ車のなかで最も売れているのはジープブランド。写真はジープラングラールビコン
アメリカ車のなかで最も売れているのはジープブランド。写真はジープラングラールビコン

 まずは、2024年1~12月の輸入新車販売台数(JAIA)を見てほしい。アメリカ車はまったくといっていいほど日本市場で売れていないことがわかる。
■2024年1~12月の輸入新車販売台数(JAIA調べ)
1位:メルセデスベンツ 5万3195台(シェア16.58%)
2位:ホンダ 4万5107台(シェア14.06%)
3位:BMW 3万5340台(シェア10.99%)
4位:VW 2万2779台(シェア7.1%)
5位:アウディ 2万1415台(シェア6.68%)
6位:BMWミニ 1万7165台(シェア5.35%)
7位:日産 1万4354台(シェア4.47%)
8位:トヨタ 1万4213台(シェア4.43%)
9位:ボルボ 1万2331台(シェア3.84%)
10位:マツダ 9686台(シェア3.02%)
11位:ジープ 9633台(シェア3.00%)

 アメリカ車は、ジープがようやく9633台で11位にランクイン。フランス車、イタリア車を抜いてランクインしているのは大健闘といっていいだろう。ちなみに他のアメリカ車勢はというと、587台でシボレーが28位(0.18%)、449台でキャデラックが35位(0.14%)と、トランプ大統領が嘆くのも仕方ない。

過去に日本市場に挑んだアメ車があったがことごとく失敗

シボレーのコンパクトセダン&クーペ、キャバリエをトヨタブランドで販売したが大失敗
シボレーのコンパクトセダン&クーペ、キャバリエをトヨタブランドで販売したが大失敗

 そもそも日米自動車摩擦はいまに始まったことではない。1970年代の石油危機の際にはすでに勃発、低燃費なホンダシビックなどが大人気となった結果ビッグスリーの業績は悪化。1980年には全米自動車労組(UAW)などが日本車の輸入制限を求めて米国際貿易委員会(ITC)に提訴しましたが、同年、日本の自動車生産は米国を抜いて世界一になっていた。

 当時、日本政府と自動車業界は1981年、対米自動車輸出台数を制限する「自主規制」を導入することになり、自主規制は1993年度まで続いた。日本車メーカーは米国での現地生産を加速したが1990年前後には「米国で現地生産するクルマの米国製部品の調達量が少ない」と今回のようにイチャモンがつけられたのだった。

 ブッシュ第41代大統領はビッグスリー首脳らと来日し、当時の宮沢喜一首相との首脳会談を経て、日本車メーカーによる米国製部品購入の「努力目標」が設けられることになった。

 1995年にもクリントン政権の米通商代表部代表が、日本市場の閉鎖性を理由に「レクサス」など日本製高級車13車種の輸入に100%の関税を課すと発表。

 これに対して、当時の日本政府は世界貿易機関(WTO)に提訴する形で応戦するも、トヨタは1996年1月、GM製シボレーキャバリエにトヨタバッジを付けてOEM供給する形で、いわば国家的な外圧により販売された。トヨタはしっかりとプロモーション活動を展開したが、さっぱり売れず、年間2万台の目標販売台数にはまったく届かないまま、予定していた5年間の販売期間を前倒しし、2000年4月に販売終了した。

日本での販売増強を目論んで、ネオンの価格設定を日本車に匹敵するほどの低価格にした努力はすばらしかったが、安くて高品質の日本車を相手には安いだけでは難しい
日本での販売増強を目論んで、ネオンの価格設定を日本車に匹敵するほどの低価格にした努力はすばらしかったが、安くて高品質の日本車を相手には安いだけでは難しい

 このキャバリエのほかにも、1996年にMTでエアコンもオーディオなし、130万円からという(充実した装備のクルマは約180万円だが3AT)という低価格をウリにクライスラージャパンセールスがこの、クライスラーネオンを販売したことがあった。筆者は発売前から「こんな低品質じゃ日本人をバカにしていると思われる、売れるワケがない」と思っていた。

 そしてGMが新たなブランドを立ち上げ、値引きを一切しないワンプライス販売をセールスポイントとしたサターン。約160万円からという低価格がウリだったがまったく売れずに撤退した。リテーラーというサターン独自のディーラーのコンセプトはよかったのだが時代が早すぎたのか……。

1997年日本導入にあたりセダン、ワゴン、クーペの3モデルを投入したが、アクの強いフロントマスクは3モデル共通で、日本人の好みに合わなかったのも失敗の要因。「礼を尽くす会社、礼を尽くすクルマ」というキャッチフレーズが懐かしい
1997年日本導入にあたりセダン、ワゴン、クーペの3モデルを投入したが、アクの強いフロントマスクは3モデル共通で、日本人の好みに合わなかったのも失敗の要因。「礼を尽くす会社、礼を尽くすクルマ」というキャッチフレーズが懐かしい

 これらのクルマたちは、日本市場に果敢に挑んだのは評価したいが、日本に合うボディサイズのクルマで、価格を安くすれば売れるはず……というビッグスリーの考え方が安易すぎたといっていいだろう。

 当時、この3車種はすべて試乗したことがあるが、特にクライスラーネオンは、安かろう悪かろうのオンパレードでダッシュボード下のバリが取れていなかったり、エアコンの効きがとんでもなく悪いなど、クオリティが低く、これでは売れるわけがないと思ったものだった。キャバリエにしてもあのサイズで2.4Lという余裕の排気量以外に特筆すべきものはなかった。安くて品質のいい日本車があるのに、買う理由がなかったのだ。

 2000年以降、アメリカ車の販売は下降線を辿り、特にヤナセがGMの輸入権を返上してから加速し、2016年にはフォードが日本法人を撤退してからはひどい状況に。そして2017年にはクライスラーも日本市場から撤退、現在はジープ、シボレー、キャデラック、テスラの4ブランドのみだ。

 とはいえ、アメリカ車がまったくダメダメというわけではない。1990年代に比べると、現在のアメ車はクオリティが格段にアップしているし、大排気量V8OHVといった時代から、ハイブリッド車やBEVを積極的にラインナップしているからだ。アメリカ車の特徴ともいえるデカいボディサイズも、日本車やドイツ車のSUVの全幅1850mmは昔ほど大きく感じなくなっている(ランクル300は全幅1980mm)。

 フォードやクライスラーの日本復活はないだろうが、ステランティスジャパンは積極的にジープブランドを展開し、前述したように年間1万台弱を売り上げている。稼ぎ頭のラングラーを筆頭に、レネゲード、コンパス、コマンダー、グランドチェロキー、グラディエーターのほか、BEV&PHEVのアベンジャーやレネゲード4XE、ラングラー4XE、グランドチェロキー4XEなど豊富にラインナップ。特にラングラーは筆者も欲しいと思わせる唯一無二の魅力を兼ね備えていると思う。

 GMは全車電動化に向けて「アルティウム」EVバッテリープラットフォームを開発し、EVラインアップを拡充。キャデラックに関してはドイツ車に匹敵するほどの「ハンドリング」を持っているし、質感や作りに関して遜色がない。キャデラックの試乗車に乗る度にいいクルマだなと感じ、日本人は「喰わず嫌い」なのかもしれないと思ったりもする。

 GMジャパンは、日本市場において2026年末までにBEV3車種を投入する計画を立てており、その第一弾として2025年3月からミドルサイズSUVのリリック、2026年にはコンパクトSUVのオプティック、3列シートSUVのヴィスティックを発売する。GMの本気が感じられる全車右ハンドル、そしてCHAdeMO(チャデモ)規格の急速充電器にも対応するというから見ものである。

1990年代よりさらに日本車との差が開いた?

 1990年代から30年経った今、日本で売れるアメリカ車はなにか? ぶっちゃけ、日本人がアメリカ車に求めるものは、ボディの小ささや燃費のよさではないのだ。しかも低燃費、安全装備、クオリティ、価格……、はっきりいって日本車に勝てるはずがない。

 ここで、並行輸入車も含め、過去日本で売れたアメリカ車(フォードの欧州生産車を除く)を見ていきたい。ジープはラングラー、チェロキー&グランドチェロキー。フォードは、エクスプローラー、マスタング、シボレーはアストロ、タホ、ブレイザー、カマロ、コルベット、キャデラックSLS&STS、エスカレード、クライスラーはボイジャー、PTクルーザー、ダッジデュランゴ、チャレンジャーなど。これらのアメリカ車に共通するのは、「アメ車らしさ」なのである。

1966年に誕生し、1996年に生産終了した伝説のSUV、フォードブロンコが復活。通算6代目となる新型ブロンコは、ブロンコ史上初のミッドサイズSUVとしてデビュー。4人乗りの2ドア仕様と5人乗りの4ドア仕様をラインナップ
1966年に誕生し、1996年に生産終了した伝説のSUV、フォードブロンコが復活。通算6代目となる新型ブロンコは、ブロンコ史上初のミッドサイズSUVとしてデビュー。4人乗りの2ドア仕様と5人乗りの4ドア仕様をラインナップ

 ちなみに筆者が今一番欲しいと思っているアメリカ車は、フォードブロンコ。1966~1977年の初代アーリーブロンコを復活させたデザインで、2.3L直4のエコブーストターボ(275HP&420Nm)と2.7LV6ターボ(310ps/420Nm)に7速MTと10速ATを組み合わせる。アメリカでは爆発的に大ヒットし、中古車はプレミアム価格で売られているほどだ。日本では並行輸入によって700万円前後ほどから購入できる。ゲレンデヴァーゲン、ディフェンダー、ジープラングラーなどと並び、伝統と新しさを兼ね備えたレトロモダンなSUVである。

 輸入車の販売上位を占めるメルセデスベンツやBMW、VWなどのドイツ車は、日本車を上回る質感の高さやガッチリとしたボディ剛性感、乗っていると羨ましいと思わせるブランド力など、売れている理由が理解できる、という日本人は多いだろう。特に、セダン市場は、レクサス、クラウンといえどもメルセデスベンツやBMW、アウディといった欧州勢に苦戦を強いられている。

どんな日本車の逆輸入車が売れるのか?

アコードクーペはアメリカ・オハイオ州のメリーズビル工場で生産された
アコードクーペはアメリカ・オハイオ州のメリーズビル工場で生産された

 純粋なアメリカ車の販売は難しいのであれば、逆輸入車の日本車であれば売れるのではないかという政府の目測は正しいのだろうか? 前項で紹介した、日本市場で失敗したアメリカ車ではなく、かつて日本でもアメリカ産の日本車が日本で販売されたことがあった。ここでは成功例の一部を紹介しよう。

 国産メーカーの逆輸入車の第1号は、1988年4月に発売されたアコードクーペだった。ホンダのオハイオ工場で生産されたアコードクーペは、左ハンドルのまま日本に輸出された。

 当時はバブル期で景気は非常によかったが、それでも一般的な日本人にとって、輸入車はまだ高嶺の花。だからこそ左ハンドルへの憧れは強かったし、国産メーカー車であっても、アメリカの香りのするアコードクーペは、「シブイ」「カッコいい」と、かなりの人気になったのだ。

 アコードクーペはその後、1990年3月から2代目が、1994年2月からは3代目が逆輸入されたが、物珍しさや逆輸入車の特別感は徐々に薄れ、最終的には不況やクーペ人気の下降もあって、1997年をもって逆輸入終了となった。

1991年4月に販売されたアコードUSワゴン。エンジンは2.2Lのみ。逆輸入車としては大ヒット
1991年4月に販売されたアコードUSワゴン。エンジンは2.2Lのみ。逆輸入車としては大ヒット

 その後も1991年からアコードワゴンもオハイオ工場製を日本に逆輸入し、日本ではわざわざ「アコードU.Sワゴン」という車名が付けられた。つまり、積極的に逆輸入車であることをアピールしており、アコードクーペに続いて、半輸入車テイストを狙ったクルマだった。初代アコードU.Sワゴンは、3年間で4万台近くが販売され、逆輸入車としては大ヒットとなった。

 2代目アコードワゴンは「U.S」の名称こそ落とされたものの、相変わらずアメリカからの逆輸入が続けられ、これまたヒット。しかし3代目アコードワゴンは、ついに国内製に。当時はすでに日本国内ではワゴンブームもおおかた去り、オデッセイが大ヒットするなどミニバン時代が到来していたこともあって、販売は急減した。

1994年2月〜1997年8月まで販売されていた2代目USアコードワゴンも初代に続いて大ヒット
1994年2月〜1997年8月まで販売されていた2代目USアコードワゴンも初代に続いて大ヒット

 その後は、東南アジアから逆輸入されるケースが増え、コルト、マーチ、キックス、ハイラックス、WR-V、トライトンがタイから、フロンクスがインド、オデッセイが中国から逆輸入されている。

 さて、今回浮上した、日米貿易摩擦解消に有効だと浮上した日本車の北米現地生産車、いわゆる逆輸入車の日本での販売はうまくいくのか? 

 日本メーカーが米国で生産した右ハンドルの逆輸入車なら日本市場で安定した販売が見込めるとの期待があるため、逆輸入案が浮上したとみられるが、はたしてどんな逆輸入車が売れるのだろうか?

 アメリカには非営利団体の消費者団体であるコンシューマーズユニオンがあるが、各社のモデルを満足度や安全性、故障率など、さまざまな切り口でランク付けしている。

 そのなかから、コンシューマーレポートWeb版に掲載されている「2025年の注目車10選」を参考にしたい。ここでは2025年に高い評価を得るであろうクルマをカテゴリー別に10台挙げているのだが、なんと10カテゴリー中7カテゴリーで、日本車がもっとも注目すべきクルマにあげられているのだ。アメリカ車はたったの2カテゴリーである。トランプ大統領はなぜ日本でアメリカ車が売れないと嘆く前に、なぜアメリカで日本車が人気なのかをいま一度考えてほしいものだ。

 特にBMWやポルシェというプレミアムブランドを押さえて首位に立ったスバルの躍進はお見事というしかない。ちなみに同ランキングでアメリカ車の最上位は、16位のクライスラーである。
●小型車:日産セントラ
●中型車:トヨタカムリ
●小型SUV:スバルクロストレック
●コンパクトSUV:スバルフォレスター
●燃費のよいSUV:トヨタRAV4 PHEV
●中型SUV:トヨタハイランダーハイブリッド
●高級コンパクトSUV:レクサスNX350h/NX450h+
●高級ミッドサイズSUV:BMW X5/X5 PHEV
●EV:テスラ モデルY
●小型ピックアップ:フォード マーベリック/マーベリック ハイブリッド

 この日本車のなかで、日本で売っていないクルマは、日産セントラ、トヨタハイランダーハイブリッドだけである。これを見て、みなさんはどう思いますか? このデータがすべてはないが、日本車がいかにアメリカ人に人気なのかわかるだろう。

どんな逆輸入車が日本で売れそうか? トヨタ車は?

2025年初頭から発売されている北米市場のトヨタ4ランナー
2025年初頭から発売されている北米市場のトヨタ4ランナー

■日本で販売したら売れそうな北米生産の日本車の候補車
●トヨタ:シエナ、4ランナー、カムリ、セントラ
●日産:パスファインダー、ムラーノ、セントラ
●スバル:アウトバック
●マツダはCX-50

 まずはトヨタ。どのモデルを入れれば日本で売れるのだろうか? 現在、アメリカで販売されているが、日本で販売されていないトヨタ車は、ピックアップトラックのタコマ、タンドラ。SUVはハイランダー、グランドハイランダー、セコイア、4ランナー、セダンはカムリ(2023年末に国内向け生産終了)、ミニバンはシエナ。

 このなかで日本導入すると売れそうなのは4ランナー(旧ハイラックスサーフ)や大型ミニバンのシエナ、そして2023年末に国内販売を終了したカムリの3車種だろう。

 タイ工場で生産されているハイラックスは日本でもスマッシュヒットとなったが、現在は部品調達の関係などにより日本での販売を休止中。三菱トライトンも販売好調のことから、日本市場ではピックアップトラック市場が存在することを証明した。ハイラックスが販売休止中の今、ぜひ日本で売ってほしいクルマの筆頭はタコマやタンドラではなく、4ランナーではないだろうか。

 4ランナーは、1984年からハイラックスサーフとして販売され、2009年の4代目まで日本で販売されていた。パワートレーンは、278ps/430Nmを発生する2.4L 直列4気筒ターボ i-FORCE(アイフォース)と、326ps/630Nmを発生する2.4L 直列4気筒ターボ i-FORCE MAXハイブリッドの2種類をラインナップする。

 4ランナーはハイラックスして販売すれば人気が出るかもしれない。ただ、4ランナーは、日本の田原工場で生産され、北米に輸出する形をとるモデルのため、今回の日米貿易摩擦解消を解決するクルマになるのか……。

北米仕様で販売されているトヨタカムリ2025年モデル
北米仕様で販売されているトヨタカムリ2025年モデル

 続いて日本で売れそうなクルマといえば、セダンのカムリと大型ミニバンのシエナかもしれない。カムリは2023年末に国内販売終了となったのが記憶に新しいが、2025年モデルの北米仕様のカムリを見ると、12.3インチの大型ディスプレイや第5世代の2.5Lハイブリッドシステムを搭載、ハンマーヘッドデザインもなかなかカッコいい。

 大型ミニバンのシエナはトヨタ「シエナ(Sienna)」は、後席スライドドアを備えた7/8人乗りのミニバンだ。現行モデルは2020年10月に登場した4代目。ボディサイズは全長5169mm×全幅1994mm×全高1740mm、ホイールベース3061mm アルファードよりも、全高以外はひと回り以上大きなサイズだ。

トヨタシエナ。ボディサイズは全長5169mm×全幅1994mm×全高1740mm、ホイールベース3061mm
トヨタシエナ。ボディサイズは全長5169mm×全幅1994mm×全高1740mm、ホイールベース3061mm

 シエナのインテリアは、3列シートで家族がゆったりと快適に過ごせる設計。2列目シートには「スーパーロングスライド・キャプテンシート」が装着され、ゆとりのあるスペースを確保されており、上級グレードには内蔵式の冷蔵庫が標準装備となっているほか、内蔵バキュームによって食べ物のくずやゴミなどを素早く掃除することもできる。

 アルファード&ヴェルファイアの存在があるので売れるか心配なのと、この巨大なサイズ感、はたして日本人に受け入れられるのか……。

日産は国内の販売ラインナップを増やすいい機会

威風堂々とした存在感の新型パトロール
威風堂々とした存在感の新型パトロール

 日産車の候補車で最初に思い浮かぶのはパトロールだが、関税障壁の問題以前に、日本での販売が検討されており、しかも日産車体九州で生産されているので除外。ちなみに兄弟車のインフィニティQ80も同工場で生産されている。

 インフィニティQX50&QX55はメキシコ工場だが2025年末で生産終了。もし日産の逆輸入車を日本で販売するとしたら、米国テネシー州スマーナ工場で生産されている、パスファインダー、ムラーノ、インフィニティQX60、セントラ、ヴァーサといったところだろう。

 すでに日産は追加関税の発動を踏まえ、北米向けローグの一部生産を日産自動車九州からスマーナ工場に移す計画や、国内外17工場のうち、7工場を閉鎖する計画などを発表しており、今後どうなるのか、先行きは不透明だ。

中国仕様のパスファインダーはデジタルVモーショングリルを採用
中国仕様のパスファインダーはデジタルVモーショングリルを採用

 続いてミドルサイズSUVのパスファインダー。北米仕様と、2024年3月から販売されている中国仕様(写真)は別モノで、中国仕様は最新のデジタルVモーショングリルを採用しているが、北米仕様の現行モデルは2021年2月にフルモデルチェンジをした5代目だ。北米仕様も中国仕様と同じスタイル、パワートレーンならば魅力的なのだが、現行モデルの北米仕様は日本では難しいだろう。ただ、2025年度に部分改良モデルが発表される予定なので状況が変わる可能性がある。

新世代のデジタルⅤモーショングリルを採用した新型ムラーノ
新世代のデジタルⅤモーショングリルを採用した新型ムラーノ

 ムラーノは2024年10月に発表され、2025年初頭から北米とカナダで販売されている。生産は北米テネシー州スマーナ工場だ。初代が2004年に日本で販売されていたのを覚えている人も多いのではないだろうか。残念ながら日本では2015年に販売が終了。しかし、2024年末に3代目が北米で販売されたが日本では販売されなかった。

  パワートレーンは、241ps/353Nmを発生する2L、VCターボ。先代モデルからトルクを27Nm向上させ、パドルシフトを搭載した9速ATを組み合わせている。駆動方式はFFと4WD。専用チューニングが施された周波数感応型のダンパーと電動パワーステアリングによって、優れたハンドリングと乗り心地を両立している。

 ランクル250、300対抗としてパトロール、パスファインダー、ムラーノをぜひ日本で販売してほしいものだ。

ティアナの北米仕様でカムリやアコードの競合車となるミドルセダンがセントラ。最新型は2018年に一新。2.5Lガソリンに加え、可変圧縮エンジンとなる2L・VCターボ搭載車も設定
ティアナの北米仕様でカムリやアコードの競合車となるミドルセダンがセントラ。最新型は2018年に一新。2.5Lガソリンに加え、可変圧縮エンジンとなる2L・VCターボ搭載車も設定

 コンシューマーテストで人気車に挙げられていた、2019年から販売されているセントラの北米仕様は、北米日産のキャントン工場で生産されている。このセントラは旧ブルーバード(シルフィー)の後継車だが、全長4640×全幅1820×1450mmとサイズはデカい。

 さらにセントラの下、コンパクトセダンのヴァーサがあるが生産はメキシコ・アグアスカリエンテス工場なので今回の関税措置に該当しないだろう。

 ちなみにこのヴァーサは、日本でもかつてティーダ ラティオという名前で販売されていたモデルだ。ヴァーサの魅力は価格。ベーシックなグレード「S」の5速MT仕様が1万6130ドル(日本円で約240万円)という設定で、これはアメリカで販売される新車の中で、もっとも安い価格。

日産 ヴァーサ。エントリークラスの北米向けコンパクトセダン。かつて日本で販売されていたコンパクトセダンであるラティオの進化版となるモデル
日産 ヴァーサ。エントリークラスの北米向けコンパクトセダン。かつて日本で販売されていたコンパクトセダンであるラティオの進化版となるモデル

 日本ではセダンの販売は厳しい状況だが、セントラはなかなかスタイリッシュなので、日産の国内販売車種を増やす意味でもいいかもしれない。

 インフィニティブランドに関しては、日産は日本での展開は考えていないので、QX60、QX80が販売される可能性は低い。たしかにレクサス対抗として新たなディーラー網を構築するのは難しいのはわかるが、この際、販売台数増を目指したいなら、いっそのことインフィニティ車を日産ディーラーで「売っちゃえ」とも思うのだが……。

インフィニティQX60ブラックエディション、2025年モデル
インフィニティQX60ブラックエディション、2025年モデル

スバルは国内生産終了したアウトバックをぜひ日本で!

アウトバックの日本販売は2025年3月末で終了。写真は北米で発表された新型アウトバック
アウトバックの日本販売は2025年3月末で終了。写真は北米で発表された新型アウトバック

 2025年3月末で国内販売終了となったばかりのアウトバック。しかし、アメリカでは2025年4月、新型アウトバックが発表された。発売時期は2025年末。なんだかやるせない思いにかられたスバリストも多いはずだ。ぜひ、関税障壁を理由に、北米生産のアウトバックを輸入し、日本復活というのはいかがだろうか。

 武骨な四角いボディはこれまでのアウトバックとは違って新鮮だ。パワートレーンは、先代モデルと同様、2.4Lターボ(260ps/300Nm)と2.5L、水平対向4気筒NA(185hp/241Nm)の2種類。トランスミッションは8速マニュアルモード付きリニアトロニックCVT、駆動方式は全車シンメトリカルAWD。いまのところ、ストロングハイブリッドはないようだ。

マツダ車はCX-50の日本販売を!

ワイドフェンダーが魅力的なCX-50
ワイドフェンダーが魅力的なCX-50

 CX-50は北米と中国向けのクロスオーバーSUVで2021年11月に発表された。ベースはCX-30などと同じFFベース。米アラバマ工場で生産されており、北米市場では2024年に10万5598台生産し、大ヒットとなったモデルだ。

 ボディサイズは全長4785×全幅1920×全高1638mm、ホイールベース2815mmで、日本でのCX-5(全長4540×全幅1840×全高1705mm、ホイールベース2700mm)とCX-60(全長4740×全幅1890×全高1685mm、ホイールベース2870mm)と比べると、CX-5よりひと回り大きく、CX-60よりもややワイドで全高がかなり低めに抑えられている。

 マツダは米国で販売する42万台のうち、約半分の20万台を日本から、10万台をメキシコから輸出しており、日本メーカーのなかでも輸出に頼るマツダは特に厳しい。この状況を少しでも打破する意味において、北米と中国市場だけでなく、日本でもCX-50を売ってほしいものだ。

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